「猫都の国宝展」at百段階段 行ってきた
目黒である。雅叙園である。生涯行くことはない場所だった。
結婚式場であることは知っていた。「私は雅叙園で結婚式挙げる!」若い頃一緒にコンサートの企画制作や、バンドでピアノを手伝ってくれた娘だった。私は密かに好意を持っていて、彼女をテーマに曲を作り、それが当時の妻にバレたことがあった。彼女はかわいくて愛嬌もあるのだが、きつい性格で男は寄り付かないほどだった。そんな娘が雅叙園でもないだろ、相手を見つけるのが先だろ、と思ったものだ。(なんという前振りだろうか)
そんな思い出があり、坂を下りて雅叙園へ。
大きなエレバーターに驚く。内部は総螺鈿。会場の百段階段にさらに驚く。階段の床板。多分欅(ケヤキ)の3寸以上はあるかと思われる板。床材だから厚さは8分から1寸3分はあるはず。木工をかじったことのある人なら分かるだろう。欅でこの幅で厚みは今の時代では信じられない。
そして柱、欄間、天井、障子、窓の細工。
見慣れた寺社建築の装飾とは違う、富裕層の煌びやかな成金趣味な、でもないどこか粋な装飾。戦火をよく免れたものだと呟いたら「進駐軍は建物の価値をちゃんと調べてるわよ」と同行のTさん。なるほど。
この歴史の重みに耐えられる現代の猫は、いったいどれほどいるのか分からない。
歌川国芳の作品が。
いや、現代の作家も頑張っている。ただこの建築物の中では、太刀打ちできるのだろうか?
でも作家にとってはこれ以上の場はないだろう。うんと刺激を受けて良い作品を生むだろう。
作品にではなく展示会場に感動したのは初めてだったという貴重な体験。楽しかった〜♪
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